YOKOYAMA KOGYO

Concept, Graphic, Editrial, Web, Logo, VI+CI, Art Direction, Photo Direction

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【Background】
自動車部品・建築資材・太陽光発電システム、そしてバー・キッチンツールブランド「BIRDY.」と、幅広く事業を手掛ける横山興業株式会社が2022年に創立から70周年を迎えた。その節目に、ブランド・アイデンティティを一新したいとの打診を受け、リブランディング一式をMY HEADが担当した。ロゴデザイン、ステートメント開発を皮切りに、BIツール、WEB開発まで請負い、そして会社の経営方針策定にも携わった。

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【Statement Design】
ステートメントは「暮らしの不可欠を、作る(MAKING THE ESSENTIALS IN LIFE)」と決定。
横山興業の手がける業種は幅広く、創業当初から始めた事業もあれば新規で挑戦している事業もあり、そのフェーズも様々だ。それらを一言でまとめる上位概念はあるだろうか。それを探ることが最初のミッションだった。
役員のヒアリングなどを経て浮かび上がってきたのは、横山興業は、常に人々にとって「必要不可欠なものを作ってきた」という事実だった。
自動車部品事業の関わる「車」も、建材事業が関わる「住宅」も、言うまでもなく暮らしにとって欠かせないものだ。そして、太陽光発電事業の関わる「エネルギー」は、今まさに我々が直面している考えなくてはならない問題である。そしてBirdy.事業の関わる「バーツールブランド」という嗜好品が生み出す心の充実も、日常をより良いものにしていくための、クオリティ・オブ・ライフ部分を担う不可欠なものだと言えるだろう。そういったファクトから、これまでも、そしてこれからも、時代のニーズによって大きくピボットしながら、新しい時代に合った「不可欠なもの」を作っていくという企業姿勢に昇華できるのではと考えたのだった。

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【Logo Design】
ロゴデザインには、70年という「伝統」と、日々新しい時代のアップデートに合わせて進化しようとしてきた「革新」を両立したイメージを表現する必要があると考えた。そこで、「YOKOYAMA」のイニシャルの「YKYM」から、2つの三角形を作成。それぞれの三角形に「時代」「革新」を表すとの意味を与えることによって、それらを表現しようと試みた。この三角形は、創業当初のシンボルである「ギア」に付いている歯から発想し、それらが噛み合う様子をイメージしている。また、その二等辺三角形の山が横になっているようにも見えるところから、「横山」という言葉遊びでもある。
余談だが、これらは意味の二重構造を意識している。即ち、世間話程度でロゴの意味を聞かれた時には「YKYMでできている形」もしくは「横になった山」の説明でよく、もっと深く意味が知りたい人には、「ギア」や「時代と革新」の意味を伝えればよいという構造だ。会社のコアに近い人間でなくても「語れる理由」を用意するのはデザイナーの仕事だと考えている。
モノクロで使用する場合は、カラーによって認識を分けている2つの山が重なる意味合いが弱くなるのもあり、ワイヤーロゴを使用するというレギュレーションも作成した。

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【経営方針策定】
経営方針の刷新にも携わらせていただいた。もともとの横山興業の「経営理念」は5項目であり、一つ一つには表題はなかった。それを4項目にまとめ、時代に合わせて内容をアップデートした。アップデートの方針はこうだ。元々BtoB企業であるがために、得意先に向けた言葉だった部分が多かったところを、社員も含めたステークホルダー全てに向けてに刷新。また、特定の産業への貢献のみならず、社会全体に貢献するように刷新。そして今回開発したステートメントとリンクさせ、常に不可欠なものを考え、挑戦する姿勢を評価する項目を追加した。

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【Bland Color Design】
リブランディング前のブランドカラーは、特に指定のものがあるわけではなかったようだ。ただ、長年使っていたホームページのカラーは明るい青色で、そのイメージがあると考えて、そこからカラーリングは設計した。親しみのあるブルーを、70年の歴史を感じるロイヤリティのあるブルーに深化させ、文字通り深い青をブランドのベースカラーとすることに決めた。
2つの山を表すロゴから、もう一方を相対する色相のアンバーに設定。こうしてベースとなるプライマリーカラーが決定した。

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【Tool Design】
ツールは機能性を重視しデザインした。封筒は、社名をロゴタイプで大きく入れることで、ひと目で送り先に分かるよう。
名刺もそれに準じ、ロゴタイプを大きくあしらうデザインに。名刺は、これだけ事業を手広くしている会社であるので、社員の肩書きや部署名の長さもまちまちだ。それらのバランスを取り、要素の違いはあってもなるべく揃えて見えるようレギュレーションを作り、フォーマットを作成した。

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【Web Design】
Webデザインはいつも通り、まずはワイヤーの整理から始める。
本案件は、事業ごとに伝える要素が多く、かつ文字数も多いので、なるべく写真を撮り直し、大きく扱う箇所を作っていった。
また、基本的にホームページもtoB向けであるため、Webブラウザファーストでデザインを作成した。
カラーリングはブランドカラーで規定したプライマリーカラーを軸に、なるべくツートンの印象で作成。

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【Photo Direction】
横山工業の所有する自動車部品工場と建築資材工場のロケと、プロダクト撮影をロケハン含めた3日の工程で撮影。
ロケの全体的イメージとしては工場機械の持つ退廃的なロマンチシズムを意識し、対照的にプロダクト撮影においては精錬とした金属の美しさを表現することを是とした。

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Creative Director: Yu Miyazaki
Art Director / Graphic Designer: Yu Miyazaki
Copywriter: Yu Miyazaki
Photographer: Shigeta Kobayashi
Web Engineer: Kazuya Okamoto
Production: MY HEAD
Client: YOKOYAMA KOGYO Inc.
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