NUMERALS

Concept, Film Direction, Graphic, Web, Logo, VI+CI, Product, Art Direction, Photo Direction, Event Direction

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【Background】
『niko and…』など多くのアパレルブランドを抱えるアダストリアの『NUMERALS』が本格始動。アダストリアとしては初のスポーツカテゴリーへの本格参入となるブランドだ。MY HEADはそのアートディレクションとデザインを担当。hashiruhito productionと共にブランドのコンセプト作りから関わり、デザインへの落とし込みまでを一気通貫で手がけた。

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【Concept】
『NUMERALS』は、元々「URBAN FIT」というタグラインを掲げ、『都市の中の機能服』というポジショニング戦略をとっていた。では一体、現代の都市とはなんだろうか?本格始動にあたり、そんなところからもう一度考え直すことにした。

環境変動や高度な情報化、更に訪れた世界的なパンデミックを通して、都市生活のあり方は大きく変わった。それまでの無秩序に膨張していく、さながら「過食な都市」は様変わりし、これまで通りの生活者はいるものの、その間には少しだけ距離感があり、皆どこか整然と、それでいてヘルシーに暮らしていく都市像が現れ始めた。その中で都市生活者の個々の生活は多様性を増し、スタイルは無限に分岐していく。新しい都市での生活は、もはやアスレチックフィールドのように広がり始めている。
そんなストーリーをイメージしながら、『For Urban Athletics.』というステートメントを考えた。新しく始動するNUMERALSは、そんな新しい都市の生活様式にあった服を提供していくのだ。ビジュアルのディレクションもそれに準じた、これまでと同様の都市生活でありながら、どこか潔癖な、小さな違和感を感じる都市の未来像を作ろうと考えた。

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【Key Visual】
紛れもなく都市でありながら、どこか整然としていて、違和感を感じる。そんなビジュアルを作ろうと考えてた折に、レタッチャーでアーティストの安藤瑠美さんをご紹介いただいた。安藤さんは、垂直水平で等分できる視点をとりながら、文字や写真などが消え失せた静かで整然とした東京を『TOKYO NUDE』という作品群で表現していて、NUMERALSが表現したい世界観と、信じられないくらいマッチしていた。
最早この人しかしない。とメンバーの誰もが思っていたところ、お話をしてみると、なんと快諾。理想のコラボレーションが実現した。

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【Logos】
NUMERALSは元々の都市型機能服というコンセプトから、スポーツへの親和性が高い。その観点から、これまでアダストリアにはなかったスポーツへの本格的な挑戦をするためのスポーツライン(SPORTS LINE)を、スポーツに強みのあるhashiruhito productionとならば立ち上がることができると考えた。
新生のスポーツラインは、これまで通り都市向けの機能服であるラインを、アーバンライン(URBAN LINE)と微妙に獲得すべきイメージが違うため、ロゴも含めて分けることにした。それと共に、たまたまコラボの話がきていたumbroはまた別に整理するべきコラボレーションライン(COLLABORATION LINE)と置き、構造スキームを整理した。ブランド最上位概念としてはこれまで通り「URBAN FIT」があり、その直下に暫し探求するべきテーマである「For Urban Athletics」、そのさらに下に3LINEを置くスキームの整理だ。こうして必然的に、三様のロゴを作る必要が出てきたのだった。

ロゴタイプは、アーバンラインを既存のフォントであるFuturaをベースに作成。一方で、スポーツラインは完全にオリジナルのフォントを作成した。アーバンラインはコンセプトを踏襲し、ソーシャルディスタンスを感じるようなパラパラとした組み方にしたが、スポーツラインはそれではいけない。パワフルさとスタイリッシュさを兼ね備える必要があるため、潔癖な整理がされているフォルムと、塊になるようなタイポグラフィの組み方を作り上げた。

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【Coloring】
NUMERALSは元々、黒と白というブランドの世界観を持っていた。しかし、新設のコンセプトに沿えば、もう少しクリーンでヘルシーカラーリングは採用しても良い。そこで、アースカラーを中心としたブランドカラーの再定義をした。

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【Exhibition】
展示レイアウトは、Block Inc.が基本を設計。そこに安藤さんの都市風景と色面を構成しながら見せていくようディレクションを重ねた。

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【Movie】
ムービーについては、これまでもNUMERALSを手がけてきたISAI Inc.と作成。こちらで考えたストーリーと世界観を再現していただけるよう、幾度も調整していただいた。伝えたい世界観は、ある種のAKIRAやブレードランナーのようなディストピア的な未来感ではなく、一度文明が退廃し、さらに浄化されたような、クリーンで整然とした世界だと伝えた。

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【Made From Wasted City】
NUMERALSは所謂サステナブルを標榜するブランドではないが、その要素は標準装備している。不要になった衣類を持っていくと、もう一度ブランドカラーである黒に染め直し、そこにNUMERALSロゴをアイロンプリントして再び息吹を与えるサービスを、展示会場や店舗で行う。そのブースのコンセプトを『MADE FROM WASTED CITY』と置いた。ストーリーは、ブランドコンセプトに則り、「消費された世界の遺物である衣服を、新たな世界線に黄泉がえらせる」というものだ。ビジュアルフォトは、MONSTER SMITHの星川氏に依頼。実際に黒染めをする工場に赴き、撮影した。

【Future】
NUMERALSは、ここを起点に、これからも進化していく。

Creative Director / Producer: Yuito Ueda
Art Director / Graphic Designer: Yu Miyazaki
Assistant Director / Production Manager: Akari Gima
-Main Visual-
Visual Photography / Retoucher: Rumi Ando
Copywriter (English Statement): Deborah Ten
-Movie-
Director: Keita Watanabe (isai Inc.)
Videographer: Takaya Ohata (isai Inc.)
Still Photographer: Masashi Yamada
Hair&Make: Ayano Funasaki (UpperCrust), Misaki Ohgishi
Cast: MAKI (WOLF AGENCY), Chiharu (STANFORD)
Casting: Koki Takei
-Web-
Web Designer: isai Inc.
-Exhibition-
Exhibition Design: Block inc.
Photographer (MADE FROM WASTED CITY): Hirotsugu Hoshikawa
Production: hashiruhito productions
Client: Adastria Co., Ltd.
www.dot-st.com/cp/nikoand/numerals2021spring