&B sta.

Concept, Graphic, Logo, VI+CI, Space, Art Direction

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【Background】
晴海センタービルの改築に伴い、入居者向けのサイクルポートとランステが新たに開設。そのスペースのコンセプト、グラフィック及びネーミングデザイン開発を担当した。
オーストラリアなどの諸外国においては、利用者のウェルビーイングを意識し、オフィスビルにランニングステーションやサイクルポートを設営するところが増えている。それにならい、晴海センタービルもリニューアルに際して、サイクルポートとランステを開設するということだった。

当該スペースにおけるグラフィックデザインは進んでいたようだが、CL側となかなかデザインの折り合いがつかず、一から仕切り直すこととなったタイミングでお声がけいただいた。グラフィックとネーミング開発を、という依頼だったが、重要なのは図柄としてのグラフィックではなく、どういった機能を空間に付与させるかだと考えたため、そもそものブランドスキームから提案させていただいた。

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【Neming Design】
グラフィックデザインに先駆けて、まずネーミングのアイディアを提出。グラフィックとは、単なる絵ではなく、意味の表面化であるからだ。そしてその意味とは、名前と紐づいている必要がある(必ずしもそうであるべきというわけではないが、紐付きがブランドアイデンティティを強固にするのは間違いない)ため、そうするのは自然の流れだった。いくつかアイディアを出した結果、「&B sta.(アンドビー ステーション)」にネーミングは決定した。

&Bの「B」とは、Beingの省略であると同時に、BuildingやBusiness、Bodyなど、様々なものを表す。「&」と併記することで、ユーザーと共にあることを表現し、なおかつ、晴海センタービルにとっても本ステーションが付加価値であることを表現している。

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【Logo Design】
与件にはなかったロゴマークも提案し、作成した。ロゴはスペースのブランド化に有効である。単なる一スペースではなく、ブランドとして見せることでパッケージ化され、晴海センタービルのみならず、クライアントが今後展開するビルのウェルビーイングを担保するスペースとしての展開を自由にする。付加価値を生むという意味の「&」のマークは、ユーザーのみならず、ビル事業者側にも作用するのである。

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ゆくゆくは会員証などのツールなども作り、ユーザーが他の&B sta.とも自由に往来できるシステムを構築することも視野に入れてデザイン。

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【Space Design】
スペースのグラフィックは、コンセプトが決まった時点で自ずと決まってくる。グラフィックだけを作るよりもバックグラウンドにある構造から作る方が、いかにデザイナーにとって考えやすいかは知れない。なんにせよ、あとはグランドデザインに従って細部を詰めていくだけである。
意味の視覚化のフェーズでは、ビル全体の景観を損なわない調和性と、目を引くグラフィックにしたいというクライアント側の与件との共存を留意。それはカラーリングとシェイプによって解決することにした。カラーリングは直感的で大雑把な印象を定めるために重要なファクターであり、シェイプは繊細で印象の調整を利かすことのできるファクターである。ビル全体のシックなカラーからダークグレーとゴールドに似たベージュを採用し、調和性を、ソリッドかつ大胆なロゴのレイアウトによるシェイプによって、与件をそれぞれクリアした。

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蛍光灯のよる照明やネオン管、真鍮の埋め込みなども提案した結果、その殆どを採用していただいた。

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Art Director / Graphic Designer: Yu Miyazaki
Client: FRONTIER CONSULTING