2022年が始まりました。
年賀状でのご挨拶からは長らく遠ざかっていたのですが、竹尾の「クリエイター100人からの年賀状」展への出品をお誘いいただいたことをきっかけに、今年はしばらくぶりに制作しました。作ってみると一年を逡巡する機会となってなかなか良いなと思い、これからもできる限り作り続けようと心に決めました。
本当に色々あった2021年。「それはそれとして、さぁ次に行きましょう。」という思いを込めたビジュアルです。

紙は以前から使ってみたかったキュリアス マターのアディロンブルー。食品の加工工程で排出されるじゃがいものデンプン成分をコーティングした、不思議な風合いを持つ紙です。美しく深い青。そこに村田金箔の艶消し青金を箔押ししています。印刷はEPさんです。

表面にある欧文のテキストは、尊敬する作家、星新一さんのグリーティングメッセージから引用しています。それはこんな一節です。
「今年もまたご一緒に九億四千万キロメートルの宇宙旅行をいたしましょう。これは地球が太陽のまわりを一周する距離です。速度は秒速29.7キロメートルのマッハ93。安全です。他の乗客たちがごたごたをおこさないよう祈りましょう。」
公転を表す楕円のイメージを添えて。
今年も九億四千万キロメートルの道中、様々なビジュアルを楽しくデザインしていきたいと思います。願わくば、本当に安全で、乗客の誰もごたごたをおこしませんように。本年もどうぞ宜しくお願い致します。